以下の古英語の12月は、Old English Matyrology中に出てきたものを、メモしておいたものを元にしているのですが、どのようなところで出てきたものかうっかり詳細を見失ってしまいました。
この並びを見る限り、今のmonthの以前の形であるmonað/þという語が語尾につかないものもあります。私には、ラテン語の月の数に古英語の月を対応させるために、あえて増やした「月」もあるのではないかな、という気がします。でも完全なる憶測です。
月の名前の由来ははっきりしませんが、尊者ベーダという当時の学者はキリスト教以前の異教時代と関連付けて意味解説していることが多いです。ただ、それも正確かどうかはいまいちわかりません。疑わしいこともあります。
とりあえずは、メモ程度に。またわかった事があれば、記事にしてみようかなと思います。
1月: Æftera Geola (monaþ): The Latter Month of Yule (After-Yule). 冬至後の月ですね。
2月:Solmonað: ?? sol=mud? (実際、英国では地面がどろどろになる時期ではあります)でも、ベーダに拠れば(異教時代)「ケーキを神々に捧げたから」だそうですが、solをケーキとする用法はここ以外では見当たらないそうです。
3月:Hredmonað: ?? hreð=glory, fame. ベーダに拠ればRhedaという女神を崇めた月だそうです。どうなんでしょう。
4月: Eastermonað: Easter Month: ベーダに拠れば、Eostreという女神を崇めた名残だそうです。
5月: Þrimilcemōnaþ: Month of Three Milkings. 一日に三回乳絞りができる季節なのだそうです。
6月: Ærra Liða: Earlier Mild/Calm (Month). 海の旅に向いた穏やかな季節、ということだそうです。日本では台風の季節ですが。
7月: Æftera Liþa: Later Mild (month).海の旅に向いた穏やかな季節の後半ということです。
8月: Weodmonaþ: Weed Month. 草(雑草)の月。多分、生い茂るのでしょう。
9月: Heiligmonaþ: holy month. ベーダはこの月については、「聖性の月」としか言ってくれません。
10月: Winterfylleð: Winter Full Moon. ベーダに拠れば、昔の人は一年を、昼が夜より長い夏と夜が昼より長い冬に二分していました。冬が始まる月がWinterfylleðであり、この月の最初の日から冬が始まることから、Winter+Full moonのこの語ができたそうです。
11月: Blodmonað: Sacrifice Month. ベーダに拠れば、供物として神々に動物を捧げた月だそうです。
12月: Ærra Geola: The First Month of Yule (Before-Yule). 冬至前の月です。
参考:
Old English Martyrology. Anon.
De temporum ratione(The Reckoning of Time). Bede.
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